2021年度の介護報酬改定の5つのポイント

直近である2021年度の介護報酬改定では、感染症と災害に対する対応力の強化、地域包括ケアシステムの推進、自立支援と重度化防止、介護人材の確保、制度の安定性と持続可能性の確保の5つが主な改定事項になりました。

感染症と災害に対する対応力の強化では、新型コロナウィルスや大規模な災害によって、たびたび介護システムが滞ったことから、有事の際でも介護施設利用者と従業員の生活を守ることができるシステムづくりをすることが義務付けられました。

団塊の世代が全員75歳を超える2025年に向けて、地域包括ケアシステムの推進についても議論されました。具体例としては、介護サービスで働く人間への「認知症介護基礎研修」の受講と、認知症に対する施策の情報を公開が義務付けられました。

高齢者に向けた取り組みとしては、自立支援と重度化防止も大きなポイントです。要介護者の最低限の生活を守るだけでなく、自立した実りのある生活を実現させていく取り組みが進められました。リハビリの強化や、科学的介護の推進を通して、寝たきりや重度化の防止が重要視されています。

介護業界における慢性的な人材不足も、前回の改定から引き続き議論されています。介護業界全体の職場環境や待遇の改とテクノロジーの活用が2021年に議論された主な改善策です。

制度の安定性と持続可能性の確保においては、介護費用の大幅な増加と生産年齢人口の減少に伴い、評価の適正化や報酬体系の見直しが行われました。